足がむくんでいるけど、これはリンパ浮腫なの?
がん治療が終わって何年もたつけど、受けられるの?
サービスはどのくらいの頻度で利用できるの?
リンパ浮腫とは
何らかの影響でリンパの流れが阻害され、組織間内に高タンパク性の組織間液の異常な増加と蓄積が見られるもの。手足や体幹部、陰部などにも起こる。
一次性リンパ浮腫(原発性、特発性)
原因が明らかでないリンパ管の未発達など先天性(生後2年以内)のもの、早発性(35歳以前)、遅発性(35歳以降)リンパ浮腫の患者数全体の6%ほど
二次性リンパ浮腫
乳がん、子宮がん、子宮頸がん、卵巣がん、前立腺がん、リンパ郭清後、放射線後、化学療法後、悪性腫瘍が悪化した場合に多く見られる。
術後2~3年で発症28%程度、1/3弱の方が発症しているが、数十年たって発症する場合も多々あります。
リンパ浮腫以外の浮腫とは
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廃用性浮腫
寝たきりやリハビリができない人におこるもの
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薬剤性浮腫
服用している薬の副作用によるもの
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低栄養性浮腫
低たんぱくによるもの
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肝臓性浮腫
肝疾患に起因する。低アルブミン血症から水分やNaが体内に蓄積するもの
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腎性浮腫
ネフローゼからの低アルブミン血症、腎不全によるもの
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終末期に伴う浮腫
全身性にみられるもの
以上の浮腫に対し、必要に応じ低圧でのドレナージや圧迫療法を行います。
リンパドレナージ・圧迫療法の禁忌
<絶対的禁忌>
- 活動性悪性腫瘍(緩和ケアは除く)
- 急性炎症(治癒するまで行わない)
- うっ血性心不全(心不全の悪化や肺水腫に至る可能性がある)
- 新しい静脈血栓
<相対的禁忌>
- 気管支喘息、低血圧(ドレナージにより副交感神経が優位になり気管支の収縮や血管拡張の作用がある)
- 腹部の手術や放射線療法後(腹部のドレナージは行えない)
- 慢性炎症(炎症部分を避ければドレナージ可能)
- 月経障害、妊婦など
病気分類(国際リンパ学会)
(栃木県立がんセンターHPより引用)
0期~Ⅱ期早期がリンパドレナージの対象です。Ⅱ期早期~Ⅲ期は弾性ストッキング、弾性包帯による圧迫療法、運動療法の適応です。
リンパ浮腫診断とドレナージ実施前に推奨される検査
全身性浮腫かリンパ性浮腫かの鑑別(心・肝・腎・甲状腺に異常がないか)
採血・各種エコー・心電図など
新しい悪性腫瘍の有無
PET、造影CT、採血など
新しい血栓症の有無
採血(Dダイマー)、下肢エコー、シンチ、ABPI(足関節/上腕血圧比 0.7未満)など
急性炎症の有無
採血(CRP)など
弾性着衣等の療養費申請(保険申請)について
❶支給対象となる疾患
- ●悪性黒色腫
- ●乳腺をはじめとする腋窩部のリンパ郭清を伴う悪性腫瘍
- ●子宮悪性腫瘍
- ●子宮付属器悪性腫瘍
- ●前立腺悪性腫瘍及び膀胱をはじめとする泌尿器系の骨盤内のリンパ郭清を伴う悪性腫瘍
以上の疾患でリンパ郭清術を伴う悪性腫瘍の術後に発生する四肢のリンパ浮腫
❷支給対象となる商品
医師の指示に基づき購入する弾性着衣など。弾性着衣が使用できない場合に限り弾性包帯の購入が可能です。ご購入希望の方はご相談下さい。訪問看護師が行えるケア
用手的
リンパ
ドレナージ
弾性着衣
サイジング
装着
バンテージ
問診
圧迫療法
(弾性包帯による圧迫、弾性着衣の購入相談、着用に関わる指導)圧迫下の運動療法指導
スキンケア
生活指導
(減量や仕事のやり方、生活にまつわる指導、挙上による浮腫悪化予防方法など)訪問看護における関わり方
- 日常生活指導
- リンパドレナージ週1~3回(安定すれば2週~1ヶ月に1回程度)
- 弾性着衣の選択、はき方指導
必要な手続き
訪問看護には指示書が必要です。指示書内にリンパ浮腫に関わる病名 及びリンパドレナージ(またはマッサージ)、圧迫療法等の指示をいただく必要があります。
利用料金
電話相談・問診は無料(必要と判断した方には無料でご自宅に訪問いたします)
医療保険適用の場合
各種保険の負担割合(1~3割負担)となります。
①1回目の訪問/5,550円 + 7,440円
②2回目以降の訪問(1回につき)/5,550円 + 3,000円 【保険適用時の料金例】1割負担の方は①は1,299円、②は1回につき855円×1ヶ月の訪問回数の自己負担となります。
②2回目以降の訪問(1回につき)/5,550円 + 3,000円 【保険適用時の料金例】1割負担の方は①は1,299円、②は1回につき855円×1ヶ月の訪問回数の自己負担となります。
介護保険適用の場合
各種保険の負担割合(1~3割負担)となります。
③1回の訪問につき/819単位(安中市の場合:1単位=10円)
【保険適用時の料金例】1割負担の方は③は819円×1ヶ月の訪問回数の自己負担となります。